予想の解説 (4/27記入)
オルフェーブルは3冠馬なのに、イマイチ人気がなかった。なにしろ、有馬記念の人気投票で、まさかの先輩牝馬に抑えられて2番人気。実際の単勝人気はどうあれ、3冠馬が人気投票で1位になれないなんて・・・。たとえ相手が女傑ブエナビスタでも、だ。それだけ、地味な存在だった。血統、勝ちタイムの遅さ、相手関係の弱さ等、要するに派手なもの=がなかった。ところが、阪神大賞典の逸走事件で、一気に人気が沸騰した。もうこれ以上ない派手なパフォーマンス。引っ掛かって制御が利かなくなって逃げ馬まで抜いてしまう・・。向こう上面で騎手が手綱を引っ張ったら、馬が「レース終わり」と勘違いして3角を回らずに真っ直ぐ行って帰ろうとするしぐさ。馬が利口なのか、馬鹿なのか? まあ、利口だからでしょう。本来ゴールは手前の直線だが、きっとこの日は反対側にゴールがあって、全頭抜いて先頭に立ったのだから、いつものように帰って、餌をもらおうと考えたのだろう。ところが、右側に馬の集団がまだ走っている。騎手は手綱をそちらに行かせようと操作する。で、本人も「これはいかん!」ということで、集団に信じられない脚を使って取り付いて、レースに戻った――との顛末。これをマスコミが放っておかず、「怪物だ」「バケモノだ」との大合唱。これで一気に真の人気者になった。おかげで、衰退気味だった淀の天皇賞は、競馬ファン以外にも関心を呼び、大注目の「春天」となった。オルフェー様様、きっと勝つでしょう。でも、本命は打たない。

今年の春天は3つのパターンを想定した。以下、馬券作戦の参考に。自分も遊び馬券や保険馬券を買う予定。
パターン1
・オルフェーは最悪の18番枠に入った。これで、スタート後最後方まで下げるだろう。先行させたら、再び暴走の危険があるので、ここは安全を期して抑えきって後ろまで下げて、且つ馬の内側&鼻面が前の馬の尻につくぐらいの間隔に。これでレースはスロー。しかも皆の関心はオルフェーに。そう、逃げ馬がスイスイ行ける展開。逃げたい馬が今回は2頭存在。ここで直感サバンナ(古い・・)、閃いた。3年前のエリザベス女王杯の記憶。2頭の逃げ馬でどうせハイペースになると思ったら、結構スローに落ち、そのまま2頭が残って断トツ人気のブエナビスタが32秒台の脚で猛然と追い込んだが3着に終わって、3連単は確か50万馬券(記憶定かでなし)ぐらいの超大穴だった。今回も同じことがあってもおかしくない。でも、今回はオルフェーが猛然と追い込んで1着になりそう。ウィンも鋭いので来るかも。ただ、オルフェー1着でも2.3着が逃げ馬が残れば、3連単、3連複は相当な好配当。遊びで馬券は買っておきたい。
パターン2
・オルフェーが差し届かない、または再度暴走して、2,3着以下に敗戦するケース。まずパターン1同様にスタートして最後方に下げる。これはどんなケースでも一緒。すると、必然的に騎手の意識は後ろ掛かりになってペースはスローになる。騎手たちに根性があって、また3冠馬を翻弄してやろうと超スローにペースを落とせば、面白い。しかし根性無し・・というか、お上からのお達しがあって「オルフェー向きの速いペースにしろ」と約束事があるなら(?)、これはオルフェー圧勝だろう。まあ、ここでは超スローを期待して、想定する。
・みんな有力どころが後ろを気にしながら中段より前で競馬。池添は最後方で必死に馬を抑える。オルフェーの作戦は向こう上面から少しずつ順位を押し上げて、京都の3角登り坂で一気に捲る作戦。しかし他陣営は承知の上。きっと勝負はもっと前に来る。スローでみんなスタミナが残っているなら、3角手前で一気に先頭に立つ馬が出現するのではないか? これを本命にした。その馬は
トーセンジョーダン。岩田ならやりそう。そう、自分が地方所属時代に菊花賞でやった、あのデルタブルースの戦法。トーセンは中距離馬と決め付けていた。あの秋天での大レコードで。しかしJC、有馬と先行して素晴らしい粘り。前走の大阪杯は仕上がり途上といわれて、逃げの先方。明らかに調教代りに使った印象。直線潰れて、場群に沈むと思われたのに、おいおい差し返している。これで3着なら、本番でも怖いぞ、と予感させるレースぶりだった。今回は記者がみなん「馬が変わった」と口を揃える。本命への決め手は2つ。1つは血統。父ジャンポケは種牡馬になってステイヤーを出すようになった。トニービンンの直子は三千を超えるとダメだったが、一代を経ると長距離系が出るようだ。既に菊花賞馬と春天馬を出している。しかも母系が短中距離系と不安視されているが、そうではなくノーザンダンサー3×4の奇跡の近親配合に注目すべき。メイショウサムソンはじめ、このND3×4はステイヤーを多く輩出。血統的には最も春天向き。2つ目の決め手は3冠馬と同じ厩舎であること。オルフェーが負けても、陣営サイドで唯一「しょうがない」と言える馬だか。
パターン3
・もちろんオルフェーが圧勝するパターン。どうしても他の馬で先頭ゴールするイメージが浮かばないのだ。強いて言えば・・が、上記のトーセンであり、最も前々で競馬が出来て粘れるから、との理由。でも、大逃げを打つ馬達がいようが、スローになって翻弄されようが、あの菊花賞のように4角から一気に行って、直線向いてまとめて全馬を交わしてしまうシーンがイメージし易いかも。
 ま、オルフェー頭固定の3連単フォーメーションで、相手を4頭までに絞って2・3着に付けるのが妥当か。保険として必要だろう。

天皇賞・春を大的中したので以下、リンクしました。5/3
2012年 4/29 京都競馬場
単勝 15960円
馬連 61570円  馬単 208630円
3連単1452520円

  天皇賞・春 短評:4/27記入
 ◎ トーセンジョーダン  2着:ND3×4の近親配合は春天血統。前で競馬できるだけに不気味
 ○ オルフェーブル  11着:◎と迷ったが、捻らないと穴党とは言えない。敢えて対抗に
 ▲ ローズキングダム  無事是名馬。スローの長丁場は菊と同じ。久々に切れて飛んでくるか
 ★ ビートブラック  1着:不思議と考えられない穴馬が2,3着に。昔は菊3着、調教超抜群!
ヒルノダムール  前年の春天馬はデータ良し。前走は不利あっての4着
 △ ウィンバリアシオン  3着:実力GT級も、オルフェー比較で勝ったことない。&武信用できず
的中の解説 5/3記入 
久々の大的中。それも伝統の天皇賞・春で大万馬券が出て、それを★◎△で的中したのだから、嬉しくないはずがない。馬連は本命と4番手評価の決着なので言うまでもなくゲットしたが、145万馬券の3連単を獲ったかどうかは、ここでは触れないでおこう。さて、誰も△さえ印を打たれていない馬柱の予想欄が真っ白なビートブラックに、なぜ爆弾マーク★を打つことが出来たのか、それから説明しよう。
1.正直、オルフェーブルの頭は固そうな気がした。もちろん穴党として◎を打つわけにはいかないが、オルフェーに○対抗印を打った場合、どしても組み合わせが安い馬券になってしまう。何か面白い大穴はいないか? 最初から穴馬を探していた。
2.過去10年の成績を見たときに、未だに説明のつかない訳のわからない馬が2着や3着に突っ込んできて、この春天は荒れに荒れていることを再認識。例えば5年前のエリモエクスパイアなどは、前走10着のあと2着に来て、まさに「一発屋」。結構、日経賞で負けた馬が来ているな…とも。一方、9年前の2着サンライズジャガーも前走10着。こちらは阪神大賞典で10着。今年出走馬の成績を見たら、ビートブラックが該当。ただ、これは流石に無理だろう、と当初は軽視。
3.ただ、この2頭の過去を思い出してみると、エリモが2走前のダイヤモンドSで2着している。サンライズは半年前か1年前のGUで鋭く差して優勝した記憶…。レース名までは思い出さなかったが、要するに以前に能力の片鱗を見せたが、近走か前走が酷くて、完全に嫌われたパターン。ローズキングダムが該当するが、これはGT馬なので大穴とまではいかないが(▲打ったが)、ビートブラックも該当することに気付く。いや、この2頭よく思い出したら、1年半前の菊花賞で2着、3着だった。これは面白い。ビートの最近5走は酷いが(普通の馬柱成績はここまで)、その前の過去を見ると京都大賞典では2着、ダイヤモンドSでは1番人気で3着と、長丁場&京都コースにはすこぶる相性がいいのだ。よし、穴として狙おうと決心。
4.極めつけは調教師のコメントと最終調教の素晴らしさ。調教師は一貫して強気。「前走も道悪競馬だからダメだったが、良馬場ならそんなことはない。3冠馬は別格としても、その他の馬には能力的に負けていない」と。こんな成績でよく言えるなと感じたが、だからこそ強く印象に残った。そして調教のタイム。雨上がりの坂路でみんな速いタイムは出なかったが、出走馬の中では最速で且つ動きも最高だった。トラックマンが誰も騒がなかったが、密かにシメシメと感じた。
5.逃げ残り競馬のイメージ。オルフェーが大外に入った瞬間、閃いた。折り合いをつけるために最後方まで下げざるをえないな、と。そうすると、競馬は「後ろ掛かり」になる。数年前のエリザベス女王杯のような、行った行った競馬になって、絶対本命のブエナビスタが32秒台の脚で突っ込んでも届かなかった京都の競馬。オルフェーが差し届かないケースも想定すべき、と。

<オルフェーブルの敗因考察>

しかし、オルフェーブルが11着とは…。過去の3冠馬とは一線を画す馬とはいえ、ここまで惨敗するのは、絶不調時のナリブラぐらいだ。あんなに強かった馬が、突然にここまで走らないとは、摩訶不思議。あれだけ練習を積んで、万全の状態にしたはすだっただけに、衝撃度が増す。地味な3冠馬が前走で暴走して大人気馬になって、しかし次でいきなり期待を裏切るなんて、あまりにも酷すぎる。原因は何か?
 それは、馬の頭が混乱したこと。そして、メンコを付けたまま走ったために、本来の走る気迫を削がれたことではなかろうか。まず阪神大賞典で暴走したのは、騎手のミス。馬は全部の馬を抜いて先頭を走っていたときに騎手が引っ張ったので、レースが終わったと考え、帰ろうとした――実は馬にとって正しいことで学習した通りの行動。しかし、なんだか周りがバタバタ慌ただしくなり、自分だけで色々と練習させられる…。どうやら走ることよりも、静かにすることばかりを要求されているような印象。今までのように、荒々しく一気にライバルを抜き去ることよりも、真面目に静かに他の馬の邪魔をしないよう走れ・・と言われているような。現にレースでもメンコ(マスク)を付けたままで、今までと違って殆ど聞こえない。走っていても音が聞こえないから、詰らないし、一層静かさを求められている印象。スタートして最後方まで下げられて、2周回って「さあ行け」と云われても、あんなに遥か前方にいる馬は抜けないぞ、や〜めた。
・・・・・・というのがオルフェーブルの心理ではなかろうか。流石の若手ナンバー1の調教師でも、馬の気持までは判っていなかった。それよりも真っ直ぐ走らせることで頭の中がいっぱい。騎手の池添のプレッシャーは半端なかったようだ。一方の地味に努力してきた関東の石橋脩、よくぞ大胆な騎乗でチャンスをモノにした。人馬ともに、これで一皮剥けるかも。

以下の項目はレース2日前の予想文章です。そのまま掲載しています。

<過去の成績>

  皐月賞  
 ◎ アダムスピーク  ドベ
 ○ ワールドエース  2着
 ▲ ディープブリランテ  3着
 ★ マイネルロブスト  
グランデッツア  5着
 △ アーデント  
  桜花賞 ○▲
 ◎ ジョワドヴィーヴル  6着
 ○ ジェンティルドンナ  1着
 ▲ ヴィルシーナ  2着
 ★ プレノタート  
イチオクノホシ  
 △ パララサルー  
  中山牝馬S  
 ◎ コスモネモシン  6着 
 ○ アプリコットフィズ  
 ▲ ホエールキャプチャ  5着
 ★ ドナウブルー  
ブロードストリート  
 △ レディアルバローザ  1着
  弥生賞  
 ◎ ジョングルール  9着
 ○ アダムスピーク  10着
 ▲ フェノーメノ  
 ★ エキストラエンド  
アーデント  3着
 △ トリップ  2着
  中山記念  
 ◎ リアルインパクト  3着
 ○ レッドデイヴィス  
 ▲ トゥザグローリー  
 ★ シルポート  2着
ダイワファルコン  
 △ フェデラリスト  1着
  ダービー卿CT  
 ◎ テイエムオオタカ  
 ○ タガノエルシコ  
 ▲ サトノタイガー  
 ★ アプリコットフィズ  
ダイワファルコン  5着
 △ ツクバホクトオー  4着
  スプリングS △◎
 ◎ ディープブリランテ  2着
 ○ バンザイ  
 ▲ ゼロス  
 ★ ロジメジャー  3着
アルフレード  
 △ グランデッツア  2着
  マイラーズC
 ◎ トーセンレーヴ  
 ○ リアルインパクト  
 ▲ レッドデイヴィス  
 ★ ダノンヨーヨー
コスモセンサー  3着
 △ フィフスペトル  
ビッグウェイの穴馬専科=大橋さんの競馬予想
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<予想>⇒成績 ★◎△で大的中!



競馬雑誌「ギャロップ」第3回エッセー大賞
編集部奨励賞受賞作